(第2項)目標設定・管理の重要性
5.売上の公式とは?④
前回までの講義では、買上客数の公式は入店数×買上率となり、入店数を増やすにはショップでどのような業務を目標に掲げれば効果的か皆で考えました。
今回は、買上率について考えてみましょう!
了解しました(''◇'')ゞ
まずは、買上率に関する話を簡単にさせていただきます。
例えば1日の入店が10人だった場合、買上率が70%ですと、1日の客数は7人となります。しかし、1日の入店数が50人で買上率が10%だった場合、1日の客数は5人になります。ということは、買上率を向上させることが出来れば、必然的に客数は向上するということになります。
では、買上率を上げるためには、ショップの業務のうちどの業務を目標設定・管理をすると効果的でしょうか?Dさん、Tさん考えてみてください。
(考え中……)
はい。接客の精度を上げる!でしょうか?
素晴らしい、その通りです!具体的に接客のどの部分を強化すれば良いと思いますか?
具体的と言われましても…。お客様に喜んでもらえるような、接客を心掛けるとかでしょうか。あと、ショップでロールプレイングを行って、各スタッフの接客技術を上げるなどが考えられますかね?
Tさんの仰る通りだと思います。やはり、私も客として服を買いにいったときには、良い接客をされると嬉しい気分になりますね。ですが、良い接客っていうのはお客様それぞれが感じることですので、本当に難しいです。Aさんが喜んだ接客が、Bさんにとっては不快だったなんてこともありますね。私は販売員時代によく経験しました。
以前せんせは、販売員時代接客がポンコツだったって、よく嘆いていましたよね (笑)
確かに、接客のどの部分を目標に掲げれば良いかは、難しい問題だと思うのですが、Tさんが言われたように、ショップ内でロールプレイングを行って、各スタッフ間で接客の意見を出し合うことは、良いことだと思います。
また、入社したばかりの人見知りの社員には、入店されたお客様に対して、どれだけ声掛けが出来るかを測定するなど、各スタッフの個々のレベルに応じた目標設定を、店長は心掛けるべきなのかもしれません。
因みに、私が部長になってからは、接客に関する社員教育に力を入れておりまして、私たちと同じ目線で、わかりやすい言葉で指導していただける販売コンサルタントの方の研修を実施しています。
それは素晴らしい心掛けです!接客は奥が深いですし、先ほどDさんに言われたように、私はポンコツの門外漢ですので、接客のことはこれ以上話すことはしませんが、良い接客をすれば間違いなく買上率アップに繋がります。今回のお話が、もっと接客の楽しさ・大変さなどを、読者の皆様に深く考えるきっかけとなれば、嬉しく存じます。
ということで、ショップで買上率を上げることの出来る業務はありますか?
はい。売れ筋商品を確保することです!
流石Dさん、私のMD講義を長く受けてきただけあります。
ショップの業務は、以前も申したように、接客以外にも多くあります。ショップの運営を円滑に行うには、バックヤードの整理整頓なども重要です。その中でショップの在庫状況を把握、また本部から降りてくる在庫状況を把握することは、ショップの売上を左右する重要な業務となります。
在庫状況を把握すること、更に言えば、売れ筋商品を把握し在庫を確保することで、買上率を上げることに繋がるというわけです。
私の中で、イマイチ売れ筋商品を確保することが、買上率をアップに繋がるイメージが掴めません…。
ではTさん、ある人気ブランドのECサイトを思い浮かべてください。人気ブランドということは、当然サイトへのアクセス数が多いことは、理解できますね?
はい。実店舗で言えば、入店数が多いことと同じですね。
しかしその人気ブランドのサイトを閲覧したら、ほとんどの商品が売り切れと記載されていた場合、そのサイトは売れていると思いますか?
商品が売り切れだから、売れる筈ないです。
あっ、なるほどそういうことですね。実店舗の入店数が多くても、商品が店頭に並んでいなければ、売れる筈がない。仮に商品が店頭に並んでいても、お客様が欲しくない商品ばかりが店頭に並んでいたら、買上率を上げるのは難しくなりますね。理解しました!
商品、特に売れ筋商品の目標を掲げることは、ショップの買上率アップに繋がりますね。在庫や売れ筋商品に関することは、第3項で詳しくお話します。
売れ筋商品に関するお話楽しみです!
買上率をアップさせるショップの業務は、他にもあるとは存じますので、読者の皆様も他にどのようなことを目標に掲げると、買上率アップに繋がるのか考えてみてください。
ということで、今回の講義は終了です。次回は客単価について考えます。
では皆さん、次回もお楽しみに(@^^)/~~~
佐藤正臣 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp