商品の投入アイテム・SKU数の設定をしてみよう③
:Dさん。では、前回の振り返りを簡単してみましょう。
:へい。商品の投入アイテム・SKU数を設定する際に必要な考え方は、以下の2つになります。
〇標準店舗の内装→とくに什器の数。どのくらいの商品を展開できるのか?
〇商品の販売期間の設定→どのくらいの期間で商品を入れ替えていくのか?
そして、今回の講義で使用する、内装のモデル店は以下の図になります。
そして、26話までの話の中で、今回のMD予算設計は、読者の皆様に解りやすくお伝えするため、カットソー限定としておりましたが、今回もそうさせて頂きます。こうでした。
:ありがとうございます。更に付け加えますと。商品の投入アイテム・SKU数を設定する際のフローは。以下の通りです。
①標準店舗図から店舗総展開SKU数の算出
②各品種(カテゴリー)標準展開アイテム・SKU数の算出
③アイテム回転(販売日数)の設定
④シーズン品種別アイテム・SKU数の算出
⑤チェックをする。
ということで、①②の話をさせていただきます。
:へい。よろしくお願い致しますm(__)m。
:まず①のことなのですが、今回はカットソーに限定するということで、いきなり②の話になることをご容赦くださいm(__)m。
では、Dさん質問です。今回のこのモデル店の什器は、1メーター20センチ(以下1M20C)21台あります。(1M20Cのハンガーラックは一般的な長さです。)
カットソーの春物商品に使える什器の数は、何台になるでしょうか?ヒントは春物商品の売上構成比です。
:へい。春物商品の売上構成比は21.5%となっていましたから。。。
(売上構成比に関しては、過去記事の”来期はどんな商品が売れるのか?売りたいのか?”をご覧ください。)
21(モデル店の什器の数)×21.5%(カットソーの春物の売上構成比)≒4.5台
で、正解は4.5台ですか?
:(@ ̄□ ̄@;)!すごい…大正解です!
:ありがとうございます(≧▽≦)
:では、改めてDさんの答えを補足しますと。店づくりの理想形は?
”(売り場)見た目と数字が一致すること!”このことです。
売上予算作成の際、売上構成比が21.5%と算出出来ていましたから、Dさんが行った計算の通りにすれば、店づくりの理想形に近づくということになります。
:せんせ。質問なのですが、実際に売り場の見た目と売上構成比が一致しないと、どのようなことが起こるのですか?
:Dさん。良い質問ですね~。ある例をお話すると…
2019年のAWシーズンは、前例のない暖冬でした。このシーズンは多く組織が、冬のアウターを残したと考えられるのですが、実際に12月ごろに売り場に足を運んでみると、売り場の見た目は、冬アウターが30~40%に見える組織が多かったです。ですが、その後多くの組織が、”こんなに安くしても良いの?”と思えるほどに、アウターのセールをしていましたから、12月の売上構成比は、20~25%くらいしかなかったという組織が殆どだったでしょう。
このように、(売り場)の見た目と売上構成比が一致しない場合。多くの在庫が残る可能性が高まる!そう捉えてもよいでしょう。
:なるほどです(>_<)だからこそ、せんせが言う、MDにおける予算設計は、MDの中でも最重要の仕事の一つ!とも言えるのですね~。
では、せんせ。続きをお願いしますm(__)m。
:Dさん。大変残念なお知らせなのですが、ここで字数制限が来てしまいました。今回の講義は、ここで終了です。
:(@ ̄□ ̄@;)!
ということで!皆様。次回をお楽しみに~(@^^)/~~~
佐藤正臣 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp