メンズ主力のニットメーカー、林田(大阪市)は自社の田辺工場(和歌山県田辺市)で、カシミヤをはじめとした高級素材のニットアイテムを主力に生産している。全国の百貨店で展開する主力ブランド「レセント」は、カラーやパターンのオーダーニットなど、オーダー提案を強化中で、これに沿って設備投資も着々と進行し、ブランドの差別化を支えている。年内に工場見学ツアーやファクトリーショップの実現を計画し、発信強化とともに、人材獲得・育成にも注力していく。
工場は71年設立。当初は丸編みアイテムの生産からスタートした。横編みへの転換は80年代で、円高で取引先の海外シフトが進んだことも契機となった。85年ごろからカシミヤニットに着手し、そのノウハウを積み重ね、高級ニット主力の工場へと変わっていった。
ノウハウを柔軟に発揮
ニットは編み機が9台あり、うち1台は無縫製編み機「ホールガーメント」だ。成型編みによる製品についてはリンキングにとことんこだわり、ホールガーメントを活用した製品についても、これまで蓄積してきたニッターとしてのノウハウを発揮している。
リンキングは、納期がタイトであっても、スタッフが一つひとつ丁寧に時間をかけて作業をする。製品の良さを大きく左右するからだ。ミシン針に通す編み目が一つでも外れてしまえば見た目は大幅に変わってしまう。きれいに目を通し、糸始末の長さを揃えるところまで、「とにかく細かい指導を続けている」(前田真由子工場長)。「若いスタッフに脈々と技術を引き継いでいる」と続ける。
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