会津木綿のはらっぱ 歴史と技術を継承しつつ進化 染め・織り・縫製を一貫し商品開発

2023/09/11 06:29 更新会員限定


古い小幅の織機で織り上げる

 会津木綿のはらっぱ(福島県会津若松市)は染色から製織、縫製まで一貫した生産体制を維持し、生地と製品の両方を卸販売する。前身となる原山織物工場は明治32年(1899年)創業の老舗企業で、廃業の危機を乗り越え、8年前に東京の卸先の協力の下、はらっぱを設立した。コロナ禍でも工場併設の直営店を開設し、ECも強化したことで売り上げを伸ばした。今後は地元での綿花栽培と藍染めの復活に挑む。

自社アイテムを拡大

 はらっぱは120年近く続く原山織物工場の先代社長が急に亡くなり、「工場をたたもうか」と思案していた時に、歴史のある事業を継承するため、親族の小野太成氏(現社長)と卸先だった東京のアパレル、ヤンマ産業の山崎ナナ氏(現副代表)によって15年3月に設立された。小野社長が本業の建築業と兼務していることもあり、営業など現場の責任者は、いとこの原山修一専務が務める。

 かつては土産品など用途が限られていたが、新会社になってからは、日常に身に着けやすいものとして服やバッグ、小物などアイテムが拡大している。生産する会津木綿はアパレル向けの生地卸が50~60%、それ以外が自社製品となる。

昔ながらの技法

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