【鉱物系機能素材って何?⑦】ファイテン 金属の水溶化で繊維に加工

2020/06/15 06:24 更新


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 金属をナノレベルで水の中に分散させることで繊維製品などに容易に加工できる。これによって金属の特性を活用し、ストレスを軽減し、人間の持つ自然治癒力を引き出す。これが、ファイテン(京都市、平田好宏社長)の「アクアメタル」の考え方だ。会社案内のパンフレットには、野球評論家の金本知憲氏やフィギュアスケートの羽生結弦選手、プロゴルファーの松山英樹選手などスポーツや芸能の世界で活躍する多くの著名人がユーザーとして紹介されている。

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自身の闘病を教訓に

 開発のきっかけは、膠原(こうげん)病を患った平田社長自身の経験。入院中も不安やストレスを感じることがなかったことが病気克服につながったと振り返る。復帰後、調理師の傍ら療術師の免許を取得し、独立して治療院を開いた。この時に、治療と同時に患者のホームケアが大事だと感じ、超電導セラミックなど様々な材料をばんそうこうで貼るなど試したが、材料コストが高くて商品化には至らなかった。

 その後、クロムや水晶も手掛けたが、有効性や経済性からたどり着いたのがチタンだった。チタンはインプラントなどにも使われるもので人体への悪影響はほとんどない。ただ、硬くて酸やアルカリなど化学反応でも溶けにくいため、繊維製品などへの加工は困難だった。

〝溶けない〟を溶かす

 これを克服したのが純水中でチタンを水素と酸素のガスを使って爆破する独自開発技術。これで、チタンをナノ(1ナノは1ミリの100万分の1)レベルにまで粉砕、水分子に吸着、水溶化する。当初は「チタンは溶けないものだ」という既成概念があったため、「うそはだめだ」と特許の申請も受理されなかったという。その後、追試験も行い、実際の水溶液も示して長時間たっても沈殿しないことなども立証した結果、「超微粒子分散水」として特許が認められた。

 この「アクアチタン」が量産化されたのが00年。チタンを水溶化したことで含浸などで繊維製品に容易に加工でき、繊維の柔軟性や肌触りを損なうこともない。そして01年にはアクアチタンを含浸加工した糸で編み込んだネックレスをサッカー日韓ワールドカップで小野伸二選手が着用。爆発的な人気となった。その後も、トップアスリートなどの着用や口コミでアクアチタンを使った様々な商品が広がった。

「アクアチタン」を加工した製品は有名スポーツ選手が愛用

 今では、チタン以外に金や銀、パラジウム、プラチナなどを水溶化し、素材バラエティーを広げている。用途もネックレスやブレスレット、サポーター、テープなどに加え、寝具、衣料製品、化粧品、飲料、健康機器など多分野にわたるボディーケア製品に拡大。

 衣料品では、はるやまホールディングスと組んだストレス対策スーツが好調、菅公学生服の体育衣料も広がりを見せており、共同して学校でのセミナー開催なども進めている。ネックレスやソックスなどは今も多くのアスリートが愛用している。また、ヤギとの原糸開発などにも着手している。

 今、力を入れているのが金属とセラミックを複合して水溶化した「メタックス」シリーズ。4年前に開発、3年前からテープなどで製品化。さらに今後は天然のセラミックを使った素材も開発していく。

(繊研新聞本紙20年5月19日付)


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