【ミラノ=小笠原拓郎、青木規子】24年春夏ミラノ・コレクションは、これまで以上に職人技に焦点を当てたコレクションが目立った。レースやカットワーク、アップリケなど、複雑で手の込んだ装飾で、ラグジュアリーブランドの価値を高めている。
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ボッテガ・ヴェネタはクラフトテクニックを散りばめた迫力のスタイルを揃えた。ショー会場はミラノ郊外の窓が割れたままの倉庫のような場所。しかし、床にはきれいなタイルが敷き詰められ、ヤギが躍るような柄が描かれる。ちょっと不気味な空気と美しさが共存する空間をマチュー・ブレイジーが選んだ理由もわかる。
そこに登場するのはコンケープトショルダーのテーラードスーツから、カットワークのランジェリードレスまでの幅広いラインナップ。レザーのベアトップドレス、ジャカードでマーブルのような模様をバイアスに走らせたドレス、フリンジを曲線的に揺らしたドレスなど、デザインの引き出しの多彩さに驚かされる。一点ごとに迫力を感じるのは、ハンドクラフトの技術ゆえであろう。アブストラクトな曲線をダブルフェイスの両面を使いながらドレスに仕立てたり、色とりどりのレザーをテープ状にはぎ合わせてドレスにしたりと、手仕事の技が利いている。シャツとフレアスカートのシンプルなコーディネートなのに、スカートの大きなヘリンボーン柄とフリンジヘムが迫力を作る。身頃と共地のレザーテープをウエストに巻き付けたレザードレスもシンプルなのに存在感がある。
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