《めてみみ》高視認性の安全服

2017/07/06 04:00 更新


 通学中の児童の交通事故が後を絶たない。特に1人で行動するようになって間もない低学年が多い。「従来は運転者への注意喚起が中心だったが限界がある。児童や自転車通学者向けの高視認性安全服が必要」と日本交通安全教育普及協会が動き出した。

 JIS(日本工業規格)T8127高視認性安全服規格を参考に「児童、自転車通学者向け高視認性安全服」の規格を定めた。しかし普及にはいくつかの壁がある。①学校、地域、保護者の高視認性安全服の有効性への理解②ユーザーニーズを取り入れた商品作り③誰が予算を負担するのかなど導入への環境作りだ。

 これらを解消するモデルケースが茨城県水戸市で生まれた。教育委員会、地域住民、警察の協力に加え、市内の企業などが組織を立ち上げて資金面を含め支援する。

 チクマも協力する。児童向け高視認性安全服の認証製品第1号となったベストを500着、サンプル配布してアンケートを実施。改善を加えた上で市内の全市立小学2年生に提供した。普及への第一歩だ。

 日本高視認性安全服研究所は、「路上作業員の対車両事故をゼロにしたい」と高視認性安全服の啓発と普及に力を入れ、理事たちは手弁当で活動を支える。こうした様々な取り組みと自動車の自動運転技術の確立などで自動車事故がなくなる日が早く来てほしい。



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