アウトドアブランド「コールマン」(ニューウェルブランズジャパン)によると、24年は「テイク6」と呼ぶ小ぶりのクーラーボックスの販売数が前年の倍となる20万個になった。また、遮光性の高い生地を使いテント内の温度上昇を抑える「ダークルームテクノロジー」シリーズのテントやタープも、年間約16万個を出荷し過去最高になった。言わずもがな、昨年の暑い夏と長引く残暑の影響だ。
気象庁が5月20日に発表した3カ月予報によると、6~8月の気温傾向は全国的に平年より高くなるという。今年も昨年と同じか、それ以上の暑さになると想定される。
こうした状況を予期し、秋物の販売開始時期を遅らせたり、接触冷感など機能素材の使用比率を増やしたりするアパレルメーカーが増えている。中には夏の長期化を見越し、1年を四季ではなく夏が2回ある「五季」と捉えてシーズンMDを組むところも出てきた。
気候変動は人の生死にかかわるほど深刻化しており、解決に向けたアクションが業界として求められている。猛暑や強い日差しの下でも快適に過ごせるライフスタイル製品へのニーズは高まっており、そうした製品の開発と販売は業界の役目だろう。気候変動を抑えるような取り組みを強めつつ、ビジネスの機会として捉える。環境の変化に対して柔軟に対応できるようにしたい。