産地に自社工場を設け、ファクトリーブランドを立ち上げた後、工場の上のフロアにショップも開設してもうすぐ10年。「最近は来店してくれる人が増えた。かつては週末や祝日だけだったが、今は平日も来店がある」と、先日取材したあるブランドの代表者が振り返る。集客のフックとなっているのがSNS。「使い方次第で地方のへんぴな場所にも人がやって来る。隠れ家が隠れ家じゃなくなった」と時代の変化を映す。
そういえばこの前、テレビで隠れ家バーを紹介していて、壊れたプリクラ機の中やコインロッカーが入り口になっていて驚いた。フリー客は期待できそうにないが、口コミやSNSで興味を持った客は「行ってみたい」と思うだろう。
冒頭の人物だが、SNSで物作りに関連した投稿にも積極的で、支持を増やしている。「物作りの背景を伝えるのを『かっこ悪い』と思う地元の人もいるのかもしれない。でも自分はこの産地出身じゃないし、面白い、かっこいいと思う」。
SNSによって、これまでとは違う見方や発想が可能性を秘めるようになったのだと実感した。
(畔)