《めてみみ》現場に喜ばれる機械

2024/12/11 06:24 更新


 先日家電量販店に行った時のこと。妻が新しい掃除機を見たいというのでついて行ったが、最近のスティックタイプの軽さと吸引力の強さに驚いた。新商品というのはいつでもわくわくするものだ。

 縫製機械の進化も目覚ましいものがある。先日開かれたJIAM2024OSAKA国際アパレル&ノンアパレル生産技術見本市では、JUKIの最新型工業用ミシン「DX-01」が披露されていた。コンベヤーベルトを針の上下6カ所に設け、ベルトの回転を変化させることで複雑な生地送りを自動化。これまで技能が必要だった肩や襟のカーブ、ギャザリングなどが容易になり、脱技能を実現した。

 生産性の向上や複雑なものが作れるようになるといった機能に焦点が当てられてきたが、人手不足が叫ばれる昨今、脱技能や使いやすさなど製造現場が喜ぶような機械がより一層求められている。買うのは経営者だが、実際使うのは現場の従業員。「あの機械が入って本当に作業が楽になったし、はかどるようになった」と言われるようなものでなければならないだろう。

 もちろん設備投資は経営者にとって重大な判断。投資をどう回収するのか、場合によっては経営戦略の変更も伴う。国内の事業環境を考えると、将来を見据えた投資は簡単ではない。機械自体の進化と同様に、事業内容の進化も求められている。



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