もうすぐバレンタインデー。平日の昼過ぎ、ある百貨店のバレンタインイベント会場はかなりの人でにぎわっていた。イベント当初から、最高売上高だった前回を上回る勢いと聞いていたが、そうなりそうだ。その足で上のレストラン街を回ると、ほとんどの店に入店待ちの行列ができていたのにも驚いた。
近隣のファッションビルのレストラン街もやはり同様の混雑ぶり。どちらの館も比較的高価格帯の飲食店を配している。しかも、商品単価は以前より上がっているはず。コロナ禍前のデフレ時には、これほどの人出は見かけなかった。違いは、ずいぶんと若い女性客が増えたことだ。この時期はバレンタイン目的客の利用もあるだろうが、最近は通常時でも若い女性やカップルが目立つ。
若い客層が日常利用しているとは思えないが〝お出掛け〟の時には、おいしい物=価値ある物を求めるのだろう。空いている店より、行列する店をあえて選んでいる感もある。
ラグジュアリーブランドなどの高額品の伸びが続いている。富裕層やインバウンド(訪日外国人)の購買が貢献しているのは間違いないが、新富裕層でもない10代後半から20代も購入しているとの指摘もよく聞く。価格が重視された時代もあったが、今の若い中間所得層は体験価値や着用価値を感じるモノやコトを選んでいるように思う。