国連サミットでSDGs(持続可能な開発目標)が採択されたのは15年9月25日。以降、9月25日を含む9月末の約1週間を「SDGs週間」として、SDGsの達成に向けたイベントが各所で開かれている。
日本でも昨年辺りから、街中でもメディアからも、SDGsという言葉を見聞きしない日はない。21年の新語・流行語大賞にもノミネートされた。企業・団体のトップやCSR(企業の社会的責任)担当だけでなく、一般にも広く浸透した。
22年に入っても勢いは加速している。あまりに勢いよく広がる様子を見ていると、近い将来、同じ勢いで熱が冷めてしまうかとも懸念される。
ファッション業界は移り気だ。その移り気を原動力に成長してきた産業ともいえる。ただ、サステイナブルは「持続可能」と訳されるように、長期的な未来を見据えた活動。SDGsも多くは30年をゴールにした中長期の目標だ。SDGsの達成に貢献すると掲げた企業は、少なくとも30年時点の目標達成を見届ける責任があるのではないか。
いくら移り気のファッション業界とはいえ、一過性の流行で取り組んでいるのであれば、のちに「ウォッシュ」と汚名を着せられかねない。「鉄は熱いうちに打て」と真剣に取り組むか、「熱しやすく冷めやすい」となるか。企業の姿勢が問われる。