早い梅雨明けと言われた今年の日本だが、7月後半にやっと本格的な盛夏を迎えようとしている。今年は、欧州もアフリカからの熱波によって暑い夏となっている。ロンドンやパリで40度を超える日が続き、人的被害も懸念されている。
記録的な猛暑やゲリラ豪雨の原因として、しばしば挙げられるのが地球環境の変化。世界的な森林伐採やオゾン層の破壊などの環境変化が、気候変動を引き起こしていると見る向きは多い。だからこそ、ファッション業界でもSDGs(持続可能な開発目標)への積極的な参加を求める動きが広がった。
フィジカル(リアル)のファッションウィークの本格的な復活とともに、様々なブランドが世界各地でショーを再開した。ブランドの伝統を振り返り、デザイナーのルーツに由来する場所に顧客を招いてショーをするブランドもあった。華やかな社交を伴うファッションイベントの復活に心躍らせながらも、どこか違和感のようなものが心に宿る。
コロナを機に、ファッション業界はCO2(二酸化炭素)の排出量を減らすため、国際的な人の移動を見直す考えもあった。しかし、再開したフィジカルのファッションショーは、以前と変わらぬ規模と人の移動を伴うもの。簡単には変えられない以前のスタイルに、ファッション業界の外側からの冷たい視線にさらされている。