ファミリーマートの「コンビニエンスウェア」の共同開発に取り組んで5年目を迎えた。全国的に人気の靴下をはじめ、コンビニエンスストアで売れるファッション製品を作り上げてきた。今春も一段と広がるラインナップの背景を聞いた。
(須田渉美)
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順調に成長し続けている要因の一つは、コンビニエンスストアでアパレルブランドを持っているのはファミリーマートだけということがあると思います。その中で、ヒット商品を作り出せているのは、1年に約55億人が利用するファミリーマートで「皆の生活のクオリティーを豊かにするものって何だろう?」とチーム全体で研究し、商品開発しているからです。
一例を上げると、2年前に発売したオーガニックコットンを100%使った吸水ショーツは、最初はどれだけ需要があるか分からなかった。けれど、ファッション性を高めてやってみようとチームで決めて商品化したところ、4万枚近くが売れて定番になりました。僕たちにとって〝売れる〟商品は、社会的な貢献性があるものと実感しています。
今春に発売した「ブラウェア」もファミリーマートでは初めて扱うアイテムです。女性のスタッフから「洋服感覚で使える下着があったら」という意見が出てきて、商品本部長も本当にいい物を作ろうと意気込んでくださって。成形カップをずれないように裏地に接着する仕様など本格的なインナーウェアとして開発に取り組みました。
色は、ファミリーマートをイメージした明るいブルーにグリーン、もう1種類は黒にネオン系の黄色を採用しました。定番色の黒だけではない配色を提案したい意見があったんです。これまでも春に出した若草色の靴下などメッセージ性のある色の方が売れています。皆が安心して買える、優しい気持ちになれる色を提案していることが、コンビニエンスウェアと利用者とのコミュニケーションを築く要素になっています。