《めてみみ》本音で語る

2022/04/27 06:24 更新


 原燃料高や円安を背景に、特に海外での製造に関わるコストが急速に上がっている。人材難や物流のタイト化も続き、商品調達は計画通り進まない。ただでさえ売上高の確保が難しいなか、品揃えの遅れによる機会ロスや原価アップは業績を直撃する。在庫を減らし、引き付け型になってきた受発注も加速し、担当者は頭が痛い。

 為替リスクの回避や安定的な供給を目指し、一定部分を国内生産へ切り替えようとする動きも進む。とはいえ、今や国内工場のキャパシティーは限られる。コロナ下の渡航制限もあって、外国人技能実習生の確保も思うようにはいかない。

 ある国内ニッター社長は「国産ニーズは確かに強まっている」としながらも、「海外のOEM(相手先ブランドによる生産)工賃を基準にしており、とてもじゃないがお受けできない」と話す。原材料の急騰に関しても、「わかっているのに、その話題に一切触れようとしない」と嘆く。

 同社は苦労して自社ブランドを柱の一つに育てた。今は「OEMを受けるのは最小限。拒否はしないが、何よりも互いの立場を尊重しようとする取引先だけに絞っている」。コロナ下や武力紛争の混乱のなか、目先の業務に追われるのは致し方ないところ。ただ、こういう時期だからこそ、腹を割って本音で語る誠実さが問われている。



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