今春、阪急うめだ本店が4階コンテンポラリーを、あべのハルカス近鉄本店が4階キャリアを改装する。百貨店婦人服の長年の主力ゾーンを大きく変える。「衣料品縮小」の流れがあるなか、両店が目指すのは婦人服フロアの活性化だ。
阪急本店は、ECで支持されているDtoC(メーカー直販)ブランドを集積する新ゾーンを作る。これらのブランドの期間限定店を多数開設してきた実績から見えてきた、ブランドや作り手に対する〝共感型消費〟の強さに注目した。複数の期間限定店を編集するような形で年間MDを組み立てる。
近鉄本店は、「生活のテンションを上げるようなものはファッションの一環」との考え方で、衣料品、生活雑貨、食物販などを「スクランブル」した自主編集売り場を立ち上げる。主力の衣料品は、不足しているブランドの高感度化を狙いに、多くの国内クリエイターブランドを新規導入する。
衣料品不振と言われるが、全てが売れていないわけではない。DtoCやクリエイターブランドなど支持されている服もある。装飾よりも内面の美が〝トレンド〟と言われ、コスメと食の強化が盛んだった数年前。「食やコスメが自分への投資となっているように、ファッションへの投資も必ず戻ってくる」という話を聞いた。両店の改装投資は、その兆しかもしれない。