《めてみみ》経済産業行政の役割

2021/12/02 06:24 更新


 経済産業省が今年に入り、ファッションビジネスに関する会議を相次ぎ新設している。繊維・アパレル業界を所管する生活製品課が「繊維産業のサステナビリティに関する検討会」を2月に発足し、7月に報告書を策定。続いて、産業構造審議会に繊維産業小委員会を11月に新設した。同時期に、クールジャパン政策課ファッション政策室が「ファッション未来研究会」を立ち上げた。消費・流通政策課は3月に「百貨店研究会」を作った。

 経産省が同じ年度にファッションビジネスでこれだけの会議を設けたのは異例だ。コンセプトに違いはあるが、業界の低迷が続いてコロナ禍で厳しさが増し、構造的な課題が改めて浮き彫りになったことが背景にある点で共通する。

 ファッションビジネス業界には特定の法規制や予算措置がほとんどない。むしろ、業界として長い間、行政の大きな財政支援を受けずに、民間の力によって成長してきた。今年立ち上がった会議も業界向けの新たな予算措置や法整備は目的としていない。

 経済産業行政の役割について、ある官僚は「個社で解決できない課題の解決につながる機会と場を作り、支援すること」と話した。新設された会議は所管部署が異なるが、行政の悪弊である「縦割り」とならず、しっかり連携して業界の課題解決に向けた道筋を示してほしい。



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