《めてみみ》新会計基準

2021/06/01 06:24 更新


 三越伊勢丹ホールディングスが5月に発表した22年3月期業績予想は、連結売上高が前期比45%減の4470億円、連結営業損益が30億円の黒字(前期は209億円の赤字)。一見するとコロナ禍による臨時休業・時短営業で、売上高の落ち込みが激しい。

 これは、新しい「収益認識に関する会計基準」の影響で、売上高の計上を純額に切り替えたためだ。従来通りで予想すれば、総額売上高は18%増の9650億円で、約5000億円の開きが出る。新会計基準は21年4月に始まる決算期から全ての上場企業に適用された。

 百貨店の売上高は5~6割減少する見込み。主な取引形態である消化仕入れが総額から純額へ変更になり、売上高が目減りする。新基準では仕入れ価格を差し引いた残りだけを売上高に計上することになる。消化仕入れは顧客に販売するまで百貨店の商品でない。在庫リスクも取引先が負う。

 本当の中身である収入を計上するよう改め、企業の実態をより正確に見せる狙いがある。日本の会計基準には売り上げを「いつ」「どのように」決算書に計上するかの細かなルールがなかった。業種を超えた企業間の比較ができる包括的な収益基準を定めると同時に、すでに収益認識基準を適用している国際会計基準(IFRS)、米国会計基準に合わせる流れが導入を後押しした。



この記事に関連する記事