《めてみみ》勤務地での春節

2021/01/18 06:24 更新


 中国では2月11日からの春節(中華圏の旧正月)休暇を前に、新型コロナウイルスの感染が拡大している。帰省のための大移動=春運が制限されるのを見越し、1月中旬に前倒しする動きの一方で、勤務地に残るよう促す地域も多い。

 浙江省紹興市政府は勤務地にとどまるよう通達を出した。ある生地工場は春節を工場で過ごした従業員に4000元(約6万4000円)を支払うという。広東省東莞市のある企業は2月に4000元、3月に1000元の合計5000元を出す。労働者間のSNSでも「うちは2000元」とか「1200元に加え、出勤すれば2倍の賃金が出る」と情報が飛び交う。

 中国で生産する日本企業は「染色工場や浙江省の縫製工場が早くから休暇に入る」と見て手を打ってきた。中国内需が好調なだけに加工への影響も想定していた。帰省の制限で春節を勤務地で過ごすことになれば、そして報奨金の効果も加われば、工場の稼働はそれほど悪くはならないのかもしれない。

 ビジネスには詳しい情報の入手が欠かせないが、不安が残る。昨年のコロナ禍の様子をまとめた書籍『武漢日記』(方方著)は中国では規制されたまま。武漢からSNSを発信した元弁護士は懲役4年の実刑判決を受けた。コロナ禍の抑え込みが、情報へのアクセスの制限にならないことを願う。


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