都内百貨店の初売りは新型コロナウイルス感染拡大の予防を最優先し、静かなスタートとなった。従来のにぎわい創出よりも顧客の混雑回避策に努めたことで、入店客が半減した店舗が多い。恒例の福袋はネットを含む事前予約や年内販売を増やした結果、混乱なくほぼ完売した。冬物セールは夏と同様に日程を分散して始まった。
年末年始は新型コロナの再拡大による第3波が重なり、外出自粛ムードが再び高まった。新年を迎えるのに、穏やかな気分にはなかなか浸れない状況だ。百貨店が今後も事業継続する上で、感染防止対策の徹底が重要であることに変わりない。安心安全な買い物環境を整えることは欠かせない。
年末のクリスマスケーキ、おせち、歳暮商戦は売り上げを伸ばした。コロナ禍でも百貨店に対して日々の暮らしに潤いを与えるモノ、コトへの期待や、人と人の絆を大切にしようとする考え方が強いことは明らかだ。一方で、新しい生活様式、変化する消費行動に対応するにはデジタル化が避けられない。
店頭での対面接客をデジタルに置き換える戦略がさらに加速する。あらゆる店頭での販売行為、サービスをオンラインで出来るようにすることはコロナ後を見据えた新たな百貨店の在り方の中心になる。取引先との連携、協業がこれまで以上に重要なのは言うまでもない。