《めてみみ》パッチワーク

2020/09/29 06:24 更新


 大手アパレルメーカーの大量退店やブランドの統廃合で、8~9月に百貨店の衣料品の空床が相次いだ。空いた売り場は代替ブランドを導入してしのいだ事例を除き、既存ブランドの移設などゾーニングの見直し、期間限定店を入れたイベントスペースなどに充てた。

 今のところ、パッチワーク的な対応が圧倒的で、百貨店の衣料品売り場の在り方、MDの方向性が見えない。「正式な撤退の話があったのは緊急事態宣言に伴う休業明けで、対処できなかった」「撤退予定のブランドを含めると、来春に衣料品だけで1フロアの半分が空床になる」(地方百貨店)と苦慮する。

 地方・郊外店の衣料品領域の構成は面積で50%を占めるが、売り上げで25%の比率にとどまる。衣料品の消化仕入れは91年のバブル崩壊以降、減収に伴う利益確保を目的に急速に広がった。在庫リスクも人件費コストも負わずに済む取引慣行は、売り上げが下がり続ける今も変わらない。

 衣料品偏重のカテゴリーバランスの是正は避けられない。定借テナントを入れ、自営面積を圧縮する動きはさらに強まるだろう。もっとも取引先と双方で新たな需要を創出できていないことが問題の根本にある。相互依存の関係は商品の同質化を招き、独自性がなくなった。百貨店がリスクを負わない現状の取引形態はもはや通用しない。



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