〝ステイホーム〟期間中にやろうと思い、結局諦めたのがフリマアプリでの不用品の売却。子供服やベビーカー、ベビーベッドなど「捨てるくらいなら」と売ろうとしたが、いくらくらいが相場なのか、どうすれば売れやすいか、梱包(こんぽう)は…と調べるうちに疲れてしまった。
メルカリがサービスを始めたのが7年前。月間利用者数は伸び続けて1600万人を超えた。使い方を教える「メルカリ教室」の開催(現在は休止中)や実店舗「メルカリステーション」など実際に体験してもらうことでハードルを下げ、利用者の幅を広げている。
本紙が調べた商社の19年度の繊維事業(連結・単体)売上高の合計(26社)は約2兆4900億円で、前年よりも2100億円以上減った。暖冬や消費増税、新型コロナの影響が大きいが、「ヤング向けで二次流通市場の拡大がじわりと効いてきた」とみる経営者もいる。
メルカリ総合研究所によると、少額でもフリマアプリで売れると承認欲求が満たされ「うれしい、楽しい」と感じるそうだ。次は「何か売るものはないか」と探すようになるという。
これまでの「買って使って捨てる」ではなく、「捨てるを売るに変える」ことで前向きな感情が生まれ、価値になっている。消費の仕方が変わるなら、作る商品も変わって当然。新たなチャンスも生まれる。