《めてみみ》梅雨の上海

2020/07/15 06:24 更新


 上海の梅雨が終わらない。過去20年間で最も長く、降水量も平年の1.6倍となった。中国も雨の多い年で長江流域での増水や洪水のニュースが連日流れてくる。長江流域だけでなく、内陸部でも多くの被害が出ている。

 6月30日に上海から南通まで新幹線(高鉄)が開通し1時間あまりで行けるようになった。早速、新路線を使って南通に行った。南通は長江を渡ってすぐのところ。張家港を過ぎてしばらくすると高架が、ぐんぐんと高くなっていく。視界の左から高速道路の高架が近づいて来る。やがて鉄路と道路が一体となって、長江へと伸びていく。

 長江は、いつもと同じように濁った水をたたえていた。下流域は、あまりにも川幅が広いため、普段よりどの程度水位が高いのか車窓から確認はできなかった。それよりも、あの大きな長江をあっという間に渡ってしまったのに驚いた。

 フェリーの時代は、上海から南通出張は宿泊が伴った。橋が出来て以降は日本企業が多く集まる古北から南通まで自動車で2時間程度になり、日帰りできるようになった。新幹線の開通で更に便利になった。往復ともに激しい雨の中の移動で雨滴が車窓を強く叩き続けていた。上海に戻り天気予報を確認すると雨マークが並んでいた。文明が発達し便利にはなったが自然との共存は簡単ではないと思った。



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