《めてみみ》増す空しさ

2020/07/07 06:24 更新


 百貨店の郊外店の閉鎖が相次いでいる。19年9月の伊勢丹相模原店、同府中店に続き、20年8月に高島屋港南台店が閉店する。人口減や顧客の高齢化など地域商圏の縮小均衡が、撤退に至った共通要因。郊外店の苦境を脱する道筋はコスト構造の改革だけでは見いだせない。

 高島屋港南台店は83年に開業。売上高はピークの91年度に180億円だったが、今はその半分だ。16年秋、「ニトリ」をテナント導入し、自営面積を6層から4層へ圧縮して家賃の低減、要員の再配置を実施。運営の効率化で、いったんは黒字化したが売り上げ減に歯止めがかからなかった。

 同店は横浜市の南部にあり、60年代から開発されたニュータウンに立地する典型的な郊外百貨店だ。開店当時は店舗周辺の居住者であるニューファミリー層でにぎわったが、顧客とともに年を重ねて新陳代謝がなくなった。街の構造としての高齢化が店舗運営に直撃した形だ。

 もっとも足下は新型コロナで郊外店の役割が見直されている。広域商圏のターミナル立地や都心店の落ち込みが大きい一方で、郊外店の減少幅が小さい。食品を中心に近隣で買い物をする志向が強まった表れだ。港南台店は食品が売上高の6割を占める。周辺住民の日常的な買い物の場となっており、8月16日の営業終了までのカウントダウンがより空しさを増す。


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