《めてみみ》販売員はロボットでよいのか?

2020/02/20 06:24 更新


 東京スター銀行が実施したアンケート調査結果を見て、少しショックを受けた。昨年12月に「人間ではなく、ロボット・AI(人工知能)でもよいと思う職業」を20代から60代の男女約1000人を対象にインターネットで聞いたところ、アパレルや化粧品などの販売員が回答全体の29%を占め、30.1%のアナウンサーに次いで2番目に多かった。

 この結果によって、多くの消費者が「販売員はロボットやAIで代替できる」と思っているとは言い切れない。しかし、ECで気軽に買い物できるようになり、デジタル技術を活用した無人店舗が注目されるなかで、そうした考えを持つ消費者も増えているのだろう。

 昨年10月以降、衣料品売り上げが一段と落ち込んでいる。草薙恵美子ルミネ常務ルミネエスト店長はそうしたなかでも、「しっかり接客した店舗は売り上げを伸ばしている」と話す。ある店は新商品をSNSで発信し、店頭でのVMDで前面に出すことでセールストークにつなげた。別の店ではICタグの導入によって、販売員の棚卸し業務の負担が軽減された結果、「接客時間が増え、お客の満足度も上がった」という。

 消費者は「リアル店にしかない価値」として、販売員の心がこもった接客を求めている。デジタル技術を有効活用しながら、接客力にもっと磨きをかけたい。



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