北関東でメンズセレクトショップを運営するオーナーは「有名ブランドに人気が集中する傾向がある。90年代の裏原ブームの再来のようだ」と話す。昔と違うのはECで服を買うのが当たり前になり、東京に行かなくても手軽に人気ブランドが手に入ること。
最近では「メルカリ」などスマホアプリを利用した2次流通も活発で無視できない存在だ。「今更2次流通を敵対視しても仕方ない。逆に2次流通上でのブランドの人気度をリサーチし、自店の仕入れに生かすべき」と、オーナーは割り切った考え。ただ、こうした手法は、地方都市でもバイイング力のある有力店にしかできない芸当だ。
一方、2次流通での転売目的で商品を購入する客に嫌悪感を示す店も少なくない。東北のセレクトショップを取材した際、「仕入れ量が制限されている人気ブランドの限られた品番についての問い合わせが後を絶たない。東京など遠方からの電話やメールばかりで、地元の顧客に商品が届かないことも多い」という。
どういう目的で購入するかは消費者の自由だが、地方の個店のほとんどは対面販売でファッションの楽しさを伝え、ファンと共有できるリアルな場を大切にしているはず。加熱したブームは必ず冷める。地道にファンとの信頼関係を深めるショップが報われる時代になってほしい。