《めてみみ》本来の目的は?

2019/10/03 06:24 更新


 1日にコンビニエンスストアで弁当と飲み物をクレジットカードで買ったら、2%値引きされた。経済産業省が消費増税に合わせ、来年6月30日まで実施する「キャッシュレス・ポイント還元事業」の登録店だったためだ。

 飲食料品は軽減税率が適用されるから、この時の代金にかかった実質的な税率は6%。少しお得な気持ちになったが、複雑な思いもした。

 それは、制度の目的と実態がややかけ離れていると感じたからだ。同制度の対象店は中小・小規模事業者。キャッシュレス決済を広げると同時に、増税後に大手小売業などとの価格競争などに巻き込まれて疲弊しないよう、中小店舗を支援するのが目的だ。しかし、買い物したコンビニは中小・小規模事業者だが、大手チェーンのFCで、繁盛店。FC店に補助されるポイント還元率2%がなくても、十分に商売が成り立つ。しかも、以前からキャッシュレス決済を導入していた。

 1日時点の同制度の登録店は約50万店。ポイント還元率5%の人気食品スーパーもある。従業員数、資本金のいずれかで、制度に参加できる条件を満たしているためだ。

 近所の個人経営の飲食店は「補助金は出るとはいえ、手間とコストがかかる」と制度に申請せず、増税分も価格に転嫁しなかった。政府は本当に困っている業者をしっかり支援してほしい。



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