何げなくテレビを見ていると、色覚異常に関する話題が出ていた。色覚異常とは、光の三原色に対して正常とは異なる色の感じ方をする症状。確率的には少なくないらしい。先天性の場合、日常生活では気が付かない人も多く、男性の5%、女性の0.2%の確率で起こると言われている。
一説によると、ある種の色覚異常は人類が生き残るための知恵の産物なのだという。色の判別に弱点がある半面、物の輪郭を捉える能力に優れる。人類が狩りを始めた時、保護色の獲物、人間を狙うライオンなどを、誰よりも早く見つけることが可能になる。男性の比率が高いのは、狩りに行くのが男性中心だったからと分析されている。
日本の社会、特に戦後の経済は〝和をもって貴しとなす〟を基本に、異質な人や意見を極力抑え、組織やチームの合意を優先しがちだった。ハンディのある人を置き去りにしてきた面も少なくない。成長の時代には、この方法がベターと判断したのだろう。
繊維・ファッション業界の閉塞感は強い。何とかこれを打破しようと、独創的なアイデアを求める声が高まってきた。自己努力でカバーできない様々なハンディを持つのはつらいものだが、逆に他の人には無い視点が大きな武器になる時代だ。異質な人材、意見をどう生かしていくかが問われている。