商社繊維事業アンケートで毎年、製品OEM(相手先ブランドによる生産)のチャイナプラスワン比率を聞く。回答企業で中国以外での生産が17年度よりも増えたのは6社、横ばいは4、減った企業はゼロ。回答企業の同比率の平均は34.7%と前年より3ポイント上昇した。
東南アジアに加えバングラデシュやインドなどでの生産が増加。サプライチェーンは短くてシンプルが理想だが、長く伸びる傾向だ。一方で18年度の衣類の国内供給量に占める輸入浸透率は過去最高の97.7%。日本製は減り続けている。
年間4億足の靴下を生産するウォルトテクノロジーは、米国と中国の工場をほぼ無人化する。同時に大手ECプラットフォーマーと協業、販売データと生産ラインを直結し即納体制を築く。「工場の無人化で人件費の高さは関係なくなる。消費者に素早く届けるには市場の近くで作るのがベスト。日本でも工場を作るかも」とケン・ウォン社長。繊維や他産業でも外資企業が「日本製」をうたおうと工場買収に動く。
専門商社のヤギは「優れた日本製品を海外で売る」と米国で新会社を設立、ECサイトも開いた。同時にシタテルに出資して独自素材を使った衣料品を作る仕組みを整え、子会社にしたツバメタオルの日本製タオルの海外販売も狙う。日本で作ることの意味。その価値が広がっている。