中国の19年1~6月の社会消費品小売総額は19兆5210億元、名目で前年同期比8.4%増、実質で6.7%増だった。名目成長率は4月の7.2%を底に、5月8.6%、6月9.8%と回復傾向にある。しかし累計の伸び率は前年同期比1.0ポイント低い。
上海市内の百貨店は多くが苦戦をしている。日系百貨店に聞いても好調な館は少ない。社会消費品小売総額を地域別でみると都市部が8.3%増、農村部が9.1%増、農村部の伸びが大きい。絶対額では都市部が農村部の約6倍と市場規模では圧倒的。
ネット販売は21.6%増と高い伸びを維持し、社会消費品小売総額に占める割合も19.6%で、2.2ポイントも上昇した。ネット販売の割合がどこまで拡大するのか。20%が一つの壁になるのではと指摘する人もいるが、既に50%を超えているブランドもあるという。
大型商業施設は、どのようにネットと向き合っていくのか。SNSを活用した顧客サービスは強化に動いている。AR(拡張現実)を使ったサービスの提供も始まっている。オンラインとオフラインの融合は、大型店舗ではこれから。ある日系小売業の関係者は、「いかにお客様に喜んでいただくかを常に考えている」と強調する。ネットを活用し、来店頻度の拡大と客単価の向上を同時に実現する方法を模索しているようだ。