《めてみみ》街の美意識

2019/07/11 06:24 更新


 4年に1度の繊維機械見本市、ITMA。今回の開催地、スペイン・バルセロナの6月はすでに真夏に近い気候だった。会期中は暑さと闘いながら宿と会場を行き来し、広い会場内を朝から夕方まで歩き回る毎日で、優雅な海外旅行とは程遠い。そんななかで癒やしを与えてくれたのは、スペインの建物の美しさだ。

 バルセロナといえばガウディが有名だ。ホテルの窓のはるか向こうにサグラダ・ファミリアが見え、遠くからでも圧倒的な存在感に心が吸い寄せられた。市内に残るガウディ建築の数々はユネスコ世界遺産にも登録されている。バルセロナの街並みに溶け込んでいるように思えるガウディ建築だが、代表作の一つであるカサ・ミラは建設当時、醜悪な建物だと市民の批判を浴び、「ラ・ペドレラ」(石切り場)のあだ名をつけられた。

 市内のあちこちに建つ、現代建築も印象的だった。ITMA会場の向かいにあるトーレス・ポルタ・フィラは、屈曲した壁がガウディを彷彿(ほうふつ)させる真っ赤な円柱のタワーと、ブルーの四角いビルが並び建つ。日本人建築家の伊東豊雄の作だと帰国後に知った。

 カサ・ミラ批判から100年以上の時をかけ、バルセロナ市民は〝美意識〟を醸成してきたのだろう。それは間違いなく街を構成する要素であり、ファッションにも影響を与えている。


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