《めてみみ》知ればこそ

2019/05/09 06:24 更新


 国立社会保障・人口問題研究所の15年の調査によると、国内で不妊治療や検査を受ける夫婦は5.5組に1組。その数は年々増えている。繊維・ファッション業界で働く女性にも不妊で悩む人は多い。

 十年以上治療を続けた経験から、タイミング法や一般的な体外受精を一通りやってもうまくいかない場合、もっと高度な治療ができる専門病院の受診を薦める。

 この分野は日々進歩している。高度な専門病院はそれまでの病院と比べて検査、設備、治療法に至るまで全然違った。10年弱、複数の病院で「こんなに条件が揃っているのにできないはずはない」と言われ続けた。「ここでできなかったら諦める」と決めた病院で検査したところ、「多分これが原因。うちに来る7割の人たちと同じ」と診断され、その対策を打った結果、2児の父親になれた。高度な治療が存在し、それができる病院が日本に存在すると知ったからこそ行動できた。

 がんも同様だ。こちらは情報が充実してきて病院による得手不得手がわかるようになってきた。日本人の2人に1人ががんになる。母ががんと闘った経験から、部位にもよるが早期発見とどの病院で治療するかに尽きる。がん治療も日進月歩。検査の精度が高まり早期に手が打てるようになってきた。手遅れになってからでは悔やんでも悔やみきれない。



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