《めてみみ》地方から生まれる新業態

2025/06/06 06:24 更新NEW!


 ナチュラルコスメを集積したセミセルフ型専門店が地方百貨店中心に店舗数を増やしている。132平方メートルほどの売り場に約30ブランドを集積。創業から3年足らずで、松山、青森、盛岡、三重県四日市、名古屋などに出店してきた。今後も年に3、4店ペースで出店を予定する。

 化粧品メーカー出身の創業者に聞くと、各メーカーとも地方都市でのタッチポイントを求めているという。ただ、人員確保の難しさや売り上げ効率面での不安があり、直営出店には消極的。一方の地方百貨店もブランド誘致に苦労している。若い百貨店新規客の利用が見込める店を求めている。

 メーカー、百貨店双方のニーズから生まれたのがセミセルフ型専門店業態で、運営は百貨店や地元専門店が担う。いずれの店も予算を上回り、新規の集客に結びついている。百貨店だけでなく駅ビルからの出店依頼も多く、扱いを希望するブランドも増えているそうだ。

 百貨店の閉店、ラグジュアリーブランドの撤退など地方都市商圏の縮小が続く。実店舗で買えなくなったブランド、商品も多いだろう。もっとも、期間限定店という業態は各都市で盛んで、ブランドやメーカーは出店形態を模索しているようにも見える。マーケットに見合った複合ショップなどの新業態が各地方都市で生まれる。そんな動きが広がる気配を感じる。



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