バブルのころに開業した商業施設の取材をした。古くなっているのは間違いないのだが、ガラス張りを多用した外装とそれを生かした巨大な吹き抜けなど魅力的な建物であるのも間違いない。
同じ頃にオープンしたGMS(総合小売業)をSCに業態転換したところも見事な屋根を持ち、その下は高さの際立つ空間になっている。「こういう建物はもう作れない」と引き継いだディベロッパーが話す。今は建築費が高騰、収益のハードルが上がってSCの開発が減っている。当時を見れば、うらやましくもある。
そうしたなか、近郊の空いた大型店をリノベーションするにあたって「ラグジュアリーブランドの店を手掛けるデザイナーに頼みました」という話を聞いた。「お金はかかる」のだが、にぎわいを取り戻すには守ってばかりでは難しく、思い切る必要があるということだろう。
オープンは来春を目指しているとのこと。その行方に注目したい。
(光)