《めてみみ》リヤドの商談会

2025/06/11 06:24 更新


 今年2月、サウジアラビアのリヤドで日本の繊維・テキスタイル関連の展示商談会が開かれた。国交70周年を機に、ジェトロ(日本貿易振興機構)とサウジアラビアファッション委員会が共催し、素材・アパレルメーカーや商社などが出展した。新規販路を開拓したい日本と、非石油セクターとしてファッション産業強化を掲げるサウジ。その思いが一致した。

 公開されている展示会の動画には、メーカーズシャツ鎌倉のトップセールスシーンが登場。会場風景だけでなく、縫製工場を訪問しオーダーメイドの現地生産の可能性を探るなど、様々なシーンが紹介された。中東と日本の繊維産業との関わりといえば民族衣装向け輸出のイメージが強いが、サウジアラビアの社会も変貌(へんぼう)し、男女ともに様々なファッションが広がってきたようだ。

 海外市場開拓の重要性が叫ばれるなか、近年は対象国も多様化する。欧州の小さな国や中央アジアの国々。ピンとこないがために、初めて地図を確認するような国の名が飛び出してくる。

 もちろん、そう簡単に海外ビジネスは進むまい。地政学的リスク、国民性やビジネス習慣の違い、日本人では理解しにくい宗教観など、乗り越えるべき課題は多い。ただ、国内の購買力が先細りするなか、海外開拓は喫緊の課題。市場を切り開く意思を持ち続けることが必要だ。



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