中国は5月1日の労働節から4日まで4連休だった。昨年12月に発表された19年の祝日では5月1日のみが祝日。それが3月下旬に変更が発表された。休日の変更は珍しい。直前まで開かれていた全国人民代表大会(全人代)では経済成長率の目標が2年ぶりに引き下げられた。景気浮揚策の一環として連休にした可能性は大きい。
連休初日の午前中に上海の南京東路へ地下鉄で行ってみた。有名な歩行街や外灘の最寄り駅だけあって、いつもの休日以上に混雑していた。地上に出てみると地方から来た大勢の観光客が旗を持ったガイドさんに連れられて歩いていた。
中国政府は期間中に旅行した人を1億9500万人、消費額を1176億元とする推計値を公表した。文化、レジャー、飲食などの消費が多く、特に文化と旅行の消費額は501~1000元の観光客の割合が最も高く38%だった。4月初めの清明節の3連休より1.2ポイント高かった。滞在日数も清明節より9.5%増加したという。
上海中心部の商業施設も盛況だった。この時期に催事などを開いた店舗もあった。日系アパレルの人々に聞くと「地方から来て買い物をしている人が多かった印象」との答えが目立った。政府の思惑通り需要の喚起につながったようだ。ただ、これが消費の先食いで終わってしまう懸念は拭えない。