東京・二子玉川蔦屋家電に新業態「蔦屋家電プラス」がオープンした。家電に限らず、大手企業が開発した最新技術の製品から、ベンチャー企業がクラウドファンディングで資金調達中の新開発製品などまで、小さなブースごとに展示・販売する。全ブースにタブレット端末を配置、それぞれの商品の特徴などを画像に表示する。
ユニークなのは事業の仕組みだ。タブレットに搭載したカメラなどで得た客の情報を出展者に提供し、今後の開発や販売に役立ててもらう。蔦屋家電は出展料から収益を得る。
発案した蔦屋家電エンタープライズの木崎大佑プロデューサーは6年前までの約10年間、家電量販店で販売現場に立っていた。その当時、「お客からネットと比較しながら、『これはいくら?』と聞かれることが多かった。モノを売るだけではネットとの競争には勝てないと感じた」という。
新業態は木崎さんをはじめとした複数の〝目利き〟のスタッフが製品を選び、一部スタッフは店頭に立ち、作り手の〝思い〟を伝える。「その場で触れ、体験できるというネットにはない価値をお客に提供すると同時に、新製品のマーケティングにもつなげる。小売業界を変革したい」と木崎さんは力を込める。ネットの進化とともに、リアルな場での新しいビジネスモデルへの挑戦が広がりつつある。