《めてみみ》別角度の戦略

2018/10/05 06:24 更新


 阪急うめだ本店が日清食品と協業した「モモフクヌードル」のショップが3日、オープンした。店舗販売は同店のみで、年間売上高は4億円を見込む。「バトンドール」(グリコ)、「グランカルビー」(カルビー)など食品メーカーと組んだ「オンリーワン戦略」の商品は第9弾になった。

 「未来のカップヌードル」がコンセプトのモモフクヌードル最大の特徴はカスタマイズ。スープが3種類から一つ、具材は10種類から四つ選べ、組み合わせは2145通りになる。カップ麺市場は飽和し、新たな活性化策が求められているという。女子会といった新たな飲食シーンの提案やギフト化により、市場創造や新規客層の獲得を狙う。

 NBとして確固たる地位を確立しているカップヌードルが、カスタマイズの領域に踏み出したことは興味深い。メーカーにとっては、単一商品を同一MDで販売するのが効率的なはず。ビッグやミニ、ライトなどとバリエーションを広げたり、新シリーズの開発も続ける一方、需要創造には〝別角度〟の戦略も必要というわけだ。

 グローバル戦略による市場拡大、一方ではローカライズによる商圏内での地位確立、さらにはカスタマイズによる需要創造。食品や衣料品など消費財メーカー・業界に求められているのは、一つの戦略ではなく多面的なものであるようだ。



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