《めてみみ》文化へのアクセス

2018/07/05 06:22 更新


 日没が遅い夏のパリはイベントが目白押し。一大イベントは7月14日のパリ祭だが、ほかにも音楽祭なるイベントもある。パリ・メンズコレクション期間中の6月21日に行われ、その日は深夜まで街の至る所で音楽が演奏され、好みの音に集まる観客でごった返す。

 音楽祭に限らずパリの地下鉄の中では、日常から様々な音楽家が演奏している。地下鉄の構内で演奏するには、特別なオーディションを受けて許可を得る必要がある。だから演奏者はなかなかの実力派。一人でマンドリンを弾くマダムもいれば、ロシア民謡を演奏する楽団、オーケストラなど、駅ごとに特色がある。

 パリの市民生活において、音楽に限らず様々な文化はどのように浸透しているのだろうか。美術館では、子供たちが地べたに座り込んで、名画をせっせと模写している。そんな光景にも、文化に対するアクセスの容易さを感じることができる。

 ファッションはどうだろう。それは産業ではあるけれど、文化としての側面を持っている。だから、パリでは一般紙に毎日、コレクションの批評が掲載される。

 日本の市民生活における文化の成熟度はどうだろうか。ファッションは文化としてどれくらい認められているだろうか。ビジネスであるとともに、新しい美を生み出す創造的活動の側面にも、もっと焦点が当たっていい。



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