21日付本紙でも伝えたが、ビームスの自社ECが伸びている。上長の許可を得れば、社員の誰もがブログやスタイリング画像をサイトに上げられるようにし、自分の投稿が閲覧された回数や購買に結びついた金額も可視化する仕組みを敷いたことが大きい。
成果が数字で確認できるようにした効果は大きく、全国の販売員はもちろん、本社勤務の従業員が商品情報を発信することも増え、投稿する人数は3年足らずで全社員の7割近くに達した。
伝える情報の厚みが増したことが自社ECの伸びを促進したわけだが、誰が投稿した内容が売り上げに結びついたかもわかるようになり、地方店の販売員の投稿で売れた商品の金額が全国でトップになるという現象も起きた。
工夫しだいでどこからでも客の気持ちを動かせるようになれば、会社としては本社から離れた場所にいる人材を全国区で生かせる。投稿する販売員にフォロワーが増えれば、ネット購買だけでなく、リアル店への来店理由も作れる。
昨年末の取材で設楽洋社長は今後の商売について「リアルとネット双方で、現場の人材による情報発信を増やし、それをきっかけにお客様を呼べる仕組みをもっと強化する」と話していた。現場スタッフが気持ちを込めてモノについて伝えるから、店に行く理由やその店で買う理由が生まれる。