《めてみみ》若きベトナム

2018/06/20 06:00 更新


家族連れも憩う湖

 ベトナムの首都、ハノイ市民の憩いの場となっているのがホアンキエム湖周辺。週末には、10代、20代、若い家族連れの姿が目立つ。露天の食べ物を買ったり、買い物をしたり、とにかく楽しそうだ。テレビで日本を訪れるアジアの人々が「日本はお年寄りが多い」と答えていたのを思い出し、若い国の勢いを痛感する。

 チャイナプラスワンの言葉が古く感じるくらい、順調な成長を遂げるベトナム。知らぬ間にタイを抜いてインドシナ半島最大の輸出国になった。日本のアパレル輸入統計でも、シェアは13%まで高まり、既に中国の4分の1近い。当分、その成長軌道は揺るがないようだ。

 南北1700キロ、日本でいえば青森から福岡ぐらいの距離がある。南と北で気候も気質も大きく異なる。朗らかで陽気な南部人、真面目で論理的な北部人というのが一般的な印象だろうか。今後、中部、北部、内陸部と縫製拠点が広がっていくにつれ、また違ったベトナムの顔に気付くのかもしれない。

 35年には、現在の繊維品輸出を6倍強の2000億ドルまで伸ばす計画という。これからは、縫製だけでなく素材や付属品、物流などのインフラも整備されていくだろう。幸いなことに、比較的日本人にはなじみやすい国。この国の勢いを、少しばかり活用させてもらうことが大事になってきた。



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