《めてみみ》あきらめない

2018/02/09 04:00 更新


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 小売業は「変化対応業」であるべき。『セブン・イレブン金の法則』(吉岡秀子著)を読み、改めて思った。かつては若い男性客が中心だったコンビニだが、今では幅広い年代が利用し、女性客も格段に増えた。これは利便性だけでなく、ターゲット層がわざわざ行く価値を提案してきた結果だ。

 「四度目の正直」で爆発的なヒット商品となったセブンカフェ。定番商品のおにぎりや麺類の進化の追求など、消費者の嗜好(しこう)の変化に対応し続けていることが分かる。働く女性の増加といった社会変化の中で求められているモノ・コトを感じとり、新たな商品を開発してきた。

 顧客の高齢化からなかなか抜け出せない百貨店。客層の幅を広げるコンビニとの違いは「変化対応」への会社の位置づけだろうか。百貨店は次世代顧客の獲得を課題としながらも、〝優良顧客〟である既存顧客層への対応を重視しがち。

 バレンタイン商戦だけでなく、最近は化粧品でも20代女性の購買が増えている。もっとも、ファッションなど他フロアへの利用までは結びついていない。「『変化対応って、どうやるんだろう』。中3男子の素朴な質問が、本書の裏テーマになった」という先の著書に学ぶべき点は多い。ミレニアル世代という新規客層の顧客化には、その嗜好の本質を感じとり、粘り強く取り組むことが欠かせない。



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