《めてみみ》現場感覚

2017/12/13 04:00 更新


画像はイメージです(Shutterstock.com)

 渋谷109などを運営するSHIBUYA109エンタテイメントが社員によるマーケティング活動を始めた。調査会社などに依頼したネットでのアンケートだけでなく、社員が街や施設に出て、中心顧客対象である若い消費者の様々な声を直接聞く。10月には渋谷109で数百人の突撃インタビューを行った。

 「これまでSNS(交流サイト)を駆使してマーケティングをしてきたが、社員自らがお客様の中に入って声を聞くことが弱かった」(木村知郎社長)のが理由だ。「地道で、大変な作業だが、見えなかったことが実感できるようになった」という。

 休日にいつも混雑するSCに行って、何度も通行客とぶつかりそうになった。そうすると、長く滞在したいとは思わない。「共用部の催事スペースやカード会員受け付けカウンターをうまく整理して、通路を広く取れば、歩きやすくなるのに」と感じた。このSCの課題は客が心地良く館内を回り、ゆっくり過ごせる環境整備だと考えた。これは現場に行かなければ、なかなかわからない。

 ネットやSNSで客の声が聞けるようになり、技術の進化で客の属性や購買傾向などもデータで分析できるようになった。マーケティング力が企業の命運を左右するなかで、これらを活用することは不可欠だ。ただし、現場感覚を忘れてはならない。



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