《めてみみ》自由な裁量

2017/09/29 04:00 更新


18年春夏ミラノ・コレクション「プラダ」のショー

 18年春夏ミラノ・コレクションで様々な柄をミックスするスタイルが広がった。「グッチ」や「プラダ」など、ミラノを代表するブランドが揃って、柄ミックスを推している。

 もとより、グッチはここ数シーズンずっと柄ミックスを続けている。花、アニマル、フューチャリスティック、シノワズリ、様々な要素を組み合わせながら、アレッサンドロ・ミケーレらしいスタイルへと仕上げる。〝新しさよりもグッチらしさ〟というミケーレの手法は、「僕の服は半年経ったら、捨ててくれ」と言っていたトム・フォードのグッチと比べると隔世の感がある。

 もう一つ驚いたのは、グッチが雑誌によっては他ブランドとのコーディネートを認めていることだ。ほぼ全てのビッグメゾンは日本の媒体の掲載に関し、全身ワンブランドのコーディネートしか認めない。グッチは他ブランドとのミックスでもインパクトを残せる自信があるのだろう。こういう自由な裁量を与えるのは、今の時代にとても大切なことに思える。

 ブランド側は、露出の仕方や出店の条件など、マーケットをコントロールしたがる。しかし、それが自由なエネルギーを阻害し、ときに閉塞(へいそく)感となって市場を覆う。ファッションにおいて最も大切なのは自由なエネルギー。それをどう発揮させられるのか、改めて考えさせられた。



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