上海の日系百貨店のレストランで食事をした時のこと。平日の夜だったが、周りは親子ばかり。子供は小学校低学年が多かった。地元の中華料理店に行くと、店の中を走り回っている子供をよく見かける。中国では社会全体で子供を大切にしていて、元気なのは子供の特権とばかり、自由にさせているのが一般的。周りの人たちも温かい眼差しで見守っている。
そのレストランでは、全員がおとなしく食事をしていた。日本なら、ごく普通の光景だ。先日、ある経営者と話をしていたら「改革開放の30年間の経済発展スピードはとても速く、それに人の発展が追いついてない」と指摘し、それによって起こっている社会の矛盾を嘆いていた。
「これから海外で学ぶ人が多くなれば変わるかもしれない」と期待も語っていた。レストランで食事をしていた親子は皆、落ち着いた雰囲気だった。親は海外留学経験者だったのかもしれない。
中国でのネットの発達は日本以上だ。中国互聯網信息中心の調査によれば6月末時点でのインターネットユーザーは7億5116万人、インターネットの普及率は54・3%になった。都市部に限定すれば、さらに高い数字になる。若い人たちは中国にいながらにして海外の様々な情報や知識を得ている。ネットの普及が、どのような影響を及ぼすのか興味深い。