ラフォーレ原宿に出店している海外ブランドに「ラフォーレする」という〝合言葉〟があるそうだ。品揃えや販促、顧客へのアプローチ施策などで、同館の特性に合わせて新しい取り組みをすることを指す。同館での好事例を他の店舗にも特性に合わせながら応用して、成果を上げているという。
同館は市況全体が厳しいファッションを中心としながら、売り上げを伸ばしている。高感度、個性派ブランドがファッション好きの客に支持されているだけでなく、全国に店舗を構えるヤングレディスカジュアルブランドの多くが昨年秋頃から復調した。
ヤングレディスカジュアルは全体として依然低調だ。その中で同館で売り上げを伸ばしているのは新商品を他店に先行して販売するなど店頭の鮮度を常に保つと同時に、館の客層に合わせて「SNS(交流サイト)で顧客に情報を積極的に発信し、購買につなげているのが大きな理由」と同館は言う。
客の平均年齢が高い都市近郊のSCではSNSは活用せず、「店頭での会話をベースに顧客との信頼関係を積み上げた店舗が好調」という。商業施設にはそれぞれの特性があり、客層や嗜好(しこう)も異なる。テナントにとっては非効率だが、館特性に合わせたMD、販促、接客を一つひとつ積み重ねれば、厳しい状況を打開する材料は見えてくる。