大型商業施設の今夏のセールは12年夏から実施時期を遅くしたルミネがさらに2週間遅らせ、7月28日開始にしたことで長期化、分散した。
8月上旬までの商戦結果をみると、6月下旬や7月1日に開始した施設の売り上げはばらつき、7月中旬実施の玉川高島屋SC、下旬実施のラフォーレ原宿を含め、後半に開始した施設は健闘した。
セール初日はにぎわった施設は多かったが、全体としての盛り上がりは欠けたようだ。早い時期に実施し、売り上げを伸ばした施設の大半は春夏商戦全体も好調。「セールだから売れた」という施設は少なく、セール以外の仕掛けが後押しして伸ばした施設が多かった。ECを含めてセール以外の時期での値引き販売が広がる中、消費者のセールに対する価値が低下しているように感じる。
ルミネがセール時期を遅くしたのは、実需最盛期にプロパー販売を拡大するのが主眼。8月6日までのセール期間も晩夏・初秋物を中心にプロパー品の仕掛けを強め、成果を上げた。ラフォーレ原宿もセール開始前の7月1~26日のプロパー販売が好調で、7月全体の売り上げが伸びた。
商品が売れる寿命は本来は消費者が決める。ただし、ここ数年は業界の都合で決められているように思う。業界は今夏商戦から教訓を導き出し、本来あるべき商品サイクルを再考すべきだ。