《めてみみ》仕入れは手段

2017/06/16 04:00 更新


 本部仕入れに集中するのか、各店仕入れを重視するのか。どちらに重点を置くかで、大手百貨店の方針はかつて振り子のように揺れた。利益重視の経営が主流になってくると、地方店や支店分の商品確保と仕入れ原価率の低減を狙いに、本部集中仕入れが優勢になっていったと記憶している。

 百貨店各店の意思が反映しにくいラグジュアリーブランドなどの〝確立されたブランド〟は、今でも本部主導の仕入れ体制のようだ。ただ、チェーン店のような画一的な百貨店運営は成り立たないのが現状で、ブランドの退店とともに百貨店の閉鎖も続いてきた。

 「同じブランドであっても、売れ方や売れるモノが店によって全く違う」。つい先日、ある百貨店のMD担当者の嘆きを聞いた。消費の多様化と地域特性によるものと捉えている。共通ののれんを掲げていても全国一律の品揃えで成果を出すのは難しくなっているのだ。

 そう考えれば、仕入れに関する体制変更の揺れ動きは、本質的な問題ではなかったように思う。ブランドファンの獲得だけが目的ならば、画一的な品揃えは有効かもしれない。本来の狙いが地域顧客の支持を高めることであれば、品揃えや提供手法を考えざるを得ない。誰に何をどのように。それを深掘りすることが重要で、仕入れ手法は目的を実現するための手段に過ぎない。



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