スポーツ用品業界ではシューズ関連の話題が尽きない。ランニングシューズ分野では「ナイキ」一強の構図が崩れ、各メーカーによる厚底・高反発シューズの開発競争が激化。「アディダス」による既存モデルより40%も軽い138グラム(片足、27センチ)のシューズ開発をきっかけに、〝靴の重さ〟も新たな焦点になった。
一方、スニーカー(カジュアルシューズ)分野では数年続いた厚底から薄底へとトレンドの変化が起きている。「プーマ」の「スピードキャット」などを筆頭に、若い女性がこぞって薄底スニーカーを買うようになった。
コンフォートシューズでも新しい切り口が生まれている。それが手を使わずにかがまず履けるハンズフリーシューズだ。アメリカで生まれたコンセプトと言われるが、日常生活で靴を脱いだり履いたりする場面が多い日本でこそ流行する条件が揃っており、この間多くのブランドが参入した。スニーカーだけでなくビジネスやワーク系、競技靴にも同機能を搭載する動きが広がる。
これまでにない新しい機能を持つ商品を見ると、「これ以上イノベーションは起きないのでは」という感覚を持つことがあるが、シューズについてはそう思わない。メーカーの開発担当者も「材料の進歩が続いており、まだ進化の途上」と明言する。次はどんな驚きがあるのか、楽しみだ。