《視点》マーケットを動かすパワー

2025/11/26 06:23 更新NEW!


 韓国ソウルの聖水洞を歩いていると至る所で日本語が聞こえてくる。町には和食店が目立ち、昨年11月に開店したヘルス&ビューティーの専門店「オリーブヤングNソンス」も日本の観光客でいっぱい。昨夏訪れたカルグクス(手打ち麺料理)店は韓国内で話題の店で、周りは韓国の客だけだった。その光景にむしろ違和感を覚えたほど聖水洞は日本人であふれている。

 韓国アパレルの日本進出は約10年前からじわりと広がり、この数年で加速したが、今年は本当に多くのKブランドが期間限定店や直営店を開いた。2年ほど前に現代百貨店などが始めたブランドの支援や行政のサポートも原動力の一つになっているとみる。

 Kブランドは日本で売れているのだろうか。以前取材で「服は現地で買った方が安い」との意見を聞いたが、実際にそう考える人はいるだろう。そもそも、日本のアパレル消費が低迷している。ともあれ、韓国のパワーが業界に活気をもたらしている側面もあると感じる。「服が売れない」のではなく、話題作りから関心が芽生え、マーケットは動くのかもしれない。

(麻)



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